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刻む光、蘇る魂 後編:夕陽に誓う再生
[家族小説][ヒューマンドラマ]
約31,000字
綾音との出会いにより少しずつ変わり始めた俊介。娘・紗月との和解、魂の伴侶となった綾音との心の交流、そして舞台復帰という新たな挑戦。完成に近づく「翁」の面には、悲しみと喜び、過去と未来が刻まれていく。しかし、恩師の危篤と綾音の留学という別れが迫るなか、俊介は自らの感情と向き合い、能面に魂を吹き込む覚悟を決める—。
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刻む光、蘇る魂 前編:能面に閉ざした感情
[家族小説][ヒューマンドラマ]
約32,000字
京都郊外の静かな工房で能面を彫り続ける鷹栖俊介。妻の死から10年、技術は磨かれても心が宿らない作品に、かつての師からも疑問の声が上がっていた。そこへ現れた若き研究者・星野綾音の鋭い視線と率直な問いかけ。娘との軋轢、過去の記憶、そして未完成の「翁」の面。夕陽が差し込む工房で、凍りついた職人の心が僅かに揺れ動き始める—。
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パラレル・ティータイム 後編:観測者の選択
[SF][心理ドラマ][サスペンス]
約31,000字
複数の現実が交錯する量子の迷宮に迷い込んだ篠原弦の前に、謎めいた「観測者」を名乗る男が現れる。男は弦の実験が現実の境界を溶かし、世界の在り方を変えてしまったと告げる。真実を求める弦に、男は選択を迫る—無限の可能性を持つ「観測者」になるか、元の世界に戻るか。ダージリンの記憶を頼りに、弦は本当の自分がいる場所を探し求める。
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パラレル・ティータイム 前編:猫の舌が描く波形
[SF][心理ドラマ][サスペンス]
約35,000字
東京の私立大学で量子物理学を研究する篠原弦は、実験中に「猫の舌」型の不可解な波形パターンを発見する。既存の理論では説明できないその現象を追究するうち、弦の周囲で奇妙な変化が起き始める。見知らぬ婚約者の出現、研究室の変容、そして彼を追いかける謎の猫。ダージリンティーの香りと共に訪れる眩暈の先に、弦を待ち受けるのは自らの存在すら揺るがす量子の謎だった。
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ハートビート・アルゴリズム 後編:オーバーフローする感情
[恋愛小説][学園モノ]
約39,000字
嘘から始まったテクノロジー部での楓の日々。「プログラミング初心者」を演じる彼女の前に、新たな困難が立ちはだかる。幼馴染の松影陽翔の存在、そして学校一の人気者・藤原千紗の巧馬への猛アプローチ。文化祭に向けた「感情予測アプリ」開発プロジェクトが始動し、楓の嘘は雪だるま式に膨らんでいく。架空の友人「鈴木ヒカリ」を創作した彼女の胸の内には、巧馬への不思議な感情が芽生え始めていた。
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ハートビート・アルゴリズム 前編:初期化されない記憶
[恋愛小説][学園モノ]
約43,000字
プログラミングの天才・瑠璃川楓は、「普通の女の子」になるため、新しい高校に編入する。だが「新しい私」計画は、星空の下での神秘的な出会いから狂い始める。互いの名前も知らぬまま交わした「一緒にダンスアプリを作ろう」という約束。翌日、自作アプリを使っているところをテクノロジー部の部長・鷹取巧馬に目撃され、思わぬ嘘をついてしまう。彼は昨夜の少年だった——。才能を隠した少女の心躍る青春の序章。
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月影結界 第三部 永遠の守護者
[SF]
約37,000字
「裏側の民」の脅威が現実世界に迫る中、陽一と美琴は最後の希望を託される。彼らは「夜明けの鴉」のリーダー・鴇田幸成との決戦に挑み、七つの鏡の欠片を集め「境界の鏡」を完成させなければならない。しかし、それは彼ら自身の大きな犠牲を伴うものだった。地球と月の境界が崩壊し始め、二つの世界の運命は彼らの決断にかかっている。幾千年を超えた魂の記憶が導く、愛と犠牲の物語が最終章を迎える。
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月影結界 第二部 蒼い月の約束
[SF]
約34,000字
「アルテミス・シャドウ」計画のメンバーとして、陽一、美琴、龍馬、音羽は月面探査ミッションに挑む。しかし、チーム内に潜む裏切り者の存在に気づきながらも、彼らは月の裏側への旅に出発する。月面に到着した彼らが発見したのは、地球の八咫烏神社と酷似した鳥居だった。その鳥居の向こう側には「記憶の迷宮」と呼ばれる奇妙な空間が広がっていた。そこで彼らは自分たちの前世の記憶と向き合うことになる。
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月影結界 第一部 反射する運命
[SF]
約36,000字
天文学者・鷹宮陽一は月の裏側から発せられる奇妙な電磁波を検出する。彼の発見は、古代文明研究者の高嶺美琴と出会うきっかけとなる。美琴が祖父から受け継いだ鏡の欠片は、彼らを八咫烏神社へと導く。そこで彼らは宮司・雨宮清明から「境界」の存在を知らされる。月の満ち欠けを描いた古い暦に記された「影の日」。奥の森に佇む古い鳥居。二人の前に、科学では説明できない神秘の扉が開かれようとしていた。
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赫焉ノ雷霆(かくえんのらいてい)
[R15][恋愛小説][神話][ファンタジー]
約39,000字
神の血を引く若者・尊は、制御しきれない雷の力に苦悩していた。故郷を離れ、力を制御する方法を探す旅に出た彼は、妖艶な美女・比売と出会う。比売は、尊の力に興味を持ち、彼を導く代わりに、自身の目的への協力を求める。二人は、各地に眠る神々の遺産を巡る旅を続ける中で、互いに惹かれ合うようになる。しかし、比売の過去には、悲しい記憶と、禁断の力が潜んでいた。愛と欲望、狂気と悲しみが交錯する中で、二人は運命の歯車に巻き込まれていく。雷鳴が轟く世界で、二人が見つける真実とは――。これは、雷神の血を引く男と、悲しい過去を背負った女の、愛と宿命の物語。